高次視覚皮質における作業記憶に関与する神経機構モデル(視聴覚技術,ヒューマンインタフェースおよび一般)

書誌事項

タイトル別名
  • A mathematical model of working memory system in higher order visual processing
  • 高次視覚皮質における作業記憶に関与する神経機構モデル
  • コウジ シカク ヒシツ ニ オケル サギョウ キオク ニ カンヨ スル シンケイ キコウ モデル

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抄録

本研究では,ワーキングメモリを要する視覚探索過程の理解を目的として,ワーキングメモリを考慮した視覚探索モデルの構築を行った.従来の視覚探索モデルによるシミュレーション実験結果によれば,ターゲット検出のためには,注意の対象を動的に変化させる機構が必要であり,また,効果的な探索のためには,数点の復帰抑制の履歴の存在を仮定しなければならないことが示唆されている(杉本,小濱,2011).しかしながら,このモデルでは,ターゲットが持つ視覚属性の情報をあらかじめ変数に与える必要があり,探索中に注意対象が変更できない点や,復帰抑制の実装が生理学的な根拠を持たない点などに問題が残る.そこで本研究では,前頭前野と側頭葉の間で,視覚対象の視覚的特徴を一時的に記憶できる機構の拡張を行なった.さらに,側頭頭頂接合部を想定したネットワークを加え,復帰抑制をもたらす注視履歴を記憶する機能を持たせた.提案モデルによるシュミュレーション実験の結果,事前にターゲット情報を与えないにも関わらず,ターゲット発見率は従来モデルよりも向上することが示された.

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