飲食店貸しビル事業の創業と,その持続経営に関する一検討(23年度第2回研究会)

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of a Launching and the Sustainable Management of Buildings Lent Business for Bars and Restaurants
  • 飲食店貸しビル事業の創業と,その持続経営に関する一検討
  • インショクテン カシ ビル ジギョウ ノ ソウギョウ ト,ソノ ジゾク ケイエイ ニ カンスル イチ ケントウ

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説明

一飲食店貸しビル事業の創業と持続経営の手法についてケーススタディを行った.地方都市・佐賀市にある本事業の経営者(所有者)は,事業の創業にあたり,ビジネスプランの開発からビル開業までに,十分な時間をかけた.このビル経営は同一事業で連続して32年間継続して成功している。この例は同種事業の持続経営の一つの効果のある方法であると分析した.本論は,このビルビジネス創業時のビジネスの構想・立ち上げ手法,長期的なビジネスの持続経営における経営者の考えや手法を検討し,新たな創業および持続経営手法のモデル化を行った.創業時の構想や経営の理念のなかに,長期の持続経営に大きく影響している様々なアイデアが発見できた.そのアイデアとは水平分散型から垂直統合型ビル構想や「ステイタスのアピール」,「トロフィービル指向」,「地域のオンリーワン・ナンバーワン指向」である.ここで言うトロフィービルとは,たぐい稀なデザインや立地条件を有し,著名なテナントが入居しているビルを指す.また,大きなイニシャルコストとランニングコストに見合うリスクマネジメントも行っている.その持続経営はイノベーションの連続からなる.この経営手法をサービス・プロフィット・チェーンとして,事業に関わる3つの集団の関係性を分析し,モデル化を行った.最終的に本事例は多重構造のサービス・プロフィット・チェーンで説明できると結論づけた.「テナントと飲み客」,「ビル経営者とテナント」,そして通常意識されない「ビル経営者と飲み客」という新しいチェーンという3つのサブチェーンの多重構造モデルで説明できる.本事例研究の分析は同種の事業の創業と経営に有効な手法を与えられる.

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参考文献 (4)*注記

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