異常繭糸に関する研究 (1) : コブ状および扁平状異常繭糸の異常部の大きさと機械的性質

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the abnormal silk fibres of <i>Bombyx mori</i>
  • 異常繭糸に関する研究
  • イジョウ ケンシ ニ カンスル ケンキュウ 1 コブジョウ オヨビ ヘンペイジョウ イジョウ ケンシ ノ イジョウブ ノ オオキサ ト キカイテキ セイシツ
  • (I) Size and tensile properties of the bulging and flat-shaped abnormal silk fibre (brin)
  • (I) コブ状および扁平状異常繭糸の異常部の大きさと機械的性質

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抄録

繭綿に見られるコブ状および扁平状異常繭糸につき, 形態別大きさ, 出現割合および強力, 伸度につき調査した結果, 次の諸点を明らかにすることができた。<br>1. bave の同一個所に同一異常部の出現する割合はコブ状部と扁平状部で若干の差はあるも約60~80%に達し, 残余は一方の brin のみに異常部の見られるものである。<br>2. コブ状異常繭糸の断面は正常 brin の5~10倍の大きさで, その形状は円形または楕円形に近似している。扁平状異常繭糸の断面は正常 brin とほぼ同一の大きさであるが, 同一 bave にあっても各 brin の形状は不斉, 非対称である。<br>3. コブ状異常繭糸は牽引の際正常部との境界部で切断するものがきわめて多い。扁平状異常繭糸はその異常部で70%以上のものが切断する。<br>4. 異常繭糸の切断強力および伸度は普通上蔟, 高温多湿上蔟のいずれにあっても, 正常繭糸のそれより小さい。また正常繭糸および異常繭糸の強力, 伸度は, 普通上蔟のものは高温多湿上蔟のものより大きい。<br>5. 牽引時の荷重―伸長曲線において, 異常繭糸はその弾性限界内で切断するもの, および塑性変形を伴なう領域に入って間なく切断するものが多い。

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