蚕に病原性を示す新しい軟化病ウイルスについて
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- 古田 要二
- 蚕糸試験場
書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on the previously unreported flacherie virus infecting the silkworm, <i>Bombyx mori</i>
- カイコ ニ ビョウゲンセイ オ シメス アタラシイ ナンカビョウ ウイルス ニ ツイテ
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抄録
ハスモンヨトウおよびマイマイガの核多角体を接種された蚕に発生した軟化病症状蚕から得られた蚕に対する起病性因子 (それぞれPlV, LdVと略す) の性状を明らかにするため, 蚕のウイルス性軟化病のウイルス (FVと略す) と比較検討を行ない次の結果を得た。<br>1. PlV, LdVは何れもザイツEK, ミリポアーフィルター100mμ以上で滬過され, FVと差がなかった。<br>2. これらは何れもFV同様ホルマリンで不活化されるが, テトラサイクリン, アルコール, オスバンおよび蚕の消化液では不活化されなかった。<br>3. PlV, LdVを支124号, 大造, 日124号および支7号のそれぞれの原種および交雑種に接種したところ, 何れも支124号, 大造および支124号×大造にはまったく感染せずFVとは明らかに差異がみられた。<br>4. PlV, LdVの両者とも経皮接種では日134号×支135号, 日124号に感染するが, 支124号の蚕体内ではウイルス増殖ほまったく認められなかった。<br>5. PlV, LdVは何れもFVの抗血清で中和反応が成立し, 抗FV血清を用いた免疫電気泳動像にはFVと差がみられなかった。<br>6. PlV, LdV感染組織では何れもPMG染色によってFV感染でみられる好塩基性状体はみられず円筒細胞に著しい異常が認められた。また, FVの螢光抗体でいく分染色されるが, FVの場合とは染色像に差異がみられた。<br>7. LdVの精製標品の電子顕微鏡観察では直径17~23mμのFVよりいく分小さい粒子が認められた。また, PlV, LdVは何れもCsClによるFVの精製法ではウイルスバンドが認められず, 各フラクションとも高い感染力価を示した。<br>8. 両ウイルスともハスモンヨトウに感染しなかった。<br>以上の結果から, PlVおよびLdVは同一あるいは極めて類似したウイルスであり, FVとは異なるウイルスと考察した。
収録刊行物
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- 日本蚕糸学雑誌
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日本蚕糸学雑誌 42 (6), 443-453, 1973
社団法人 日本蚕糸学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204532921472
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- NII論文ID
- 130004030189
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- NII書誌ID
- AN00190300
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- ISSN
- 1884796X
- 00372455
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- NDL書誌ID
- 7615712
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可