身体的特徴との関連からみた成人男性の静的綱牽引力の個人差

  • 東 章弘
    福井工業高等専門学校一般科目教室
  • 穴田 生
    社会福祉法人手をつなぐ高岡(ワークスたから)

書誌事項

タイトル別名
  • Individual Differences in the Rope-Pulling Static Force in Relation to the Physical Characteristics of Adult Japanese Men
  • シンタイテキ トクチョウ ト ノ カンレン カラ ミタ セイジン ダンセイ ノ セイテキ コウ ケンインリョク ノ コジンサ

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抄録

本研究では,20~68歳の健康な成人男性153名を対象として,綱牽引力の個人差を重回帰分析から検討した.被験者には,綱(φ30 mm,長さ2 m)を各自の引きやすい高さ(グリップ高)で水平に牽引させ,静的に発揮する最大牽引力(絶対値;RPSF)を測定した.RPSFを従属変数とした重回帰分析において,体重または除脂肪量はRPSFの変動の20%以上を説明する主要な変数であった.身体的特徴(年齢を含む)は,綱牽引力(絶対値)の変動に対して,概ね45~50%を説明することが明らかとなった.一方,体重やLBMで正規化した相対値を従属変数とする重回帰分析においては,年齢の関与が最も大きかった.相対値に認められた加齢の影響には,筋線維数の減少や日常生活における身体活動パターンの変化による筋力低下との関連があると推察された.なお,大きな綱牽引力を得るには,体重や除脂肪量が大きいことに加え,年齢が若いこと,グリップ高が低いこと,体脂肪率が小さく(除脂肪量の割合が大きく),脂肪量が多いことが有利であることが示された.

収録刊行物

  • 人間工学

    人間工学 49 (5), 238-243, 2013

    一般社団法人 日本人間工学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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