中高齢労働者の主観的器用さと指先運動能

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タイトル別名
  • Subjective Evaluation of the Manual Dexterity and Fingertip Movement Ability for Aging Workers
  • チュウ コウレイ ロウドウシャ ノ シュカンテキ キヨウ サ ト ユビサキ ウンドウノウ

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抄録

351名の非事務系就労者(男性50〜69歳,右利き)を中心に右手第Ⅲ指について労研式タッピング測定器を用いて,0〜10,10〜20および20〜30秒間の指先運動能を測定した.また,被験者の少年期および中高齢期について自己評価による手先の器用さとその変化した年齢に関するインタビューを行った.タッピング値と年齢との間には有意性が認められたものの,強い相関が認められなかったことから,50歳から69歳に至る非事務系就労者の指先運動能は殆ど加齢の影響を受けないものと推測された.タッピング値についてクラスター解析を行ったところ4クラスターの解を得た.これらは成績上位群から下位群へ明確に分離された.また,自己評価による“手先の器用さ”とタッピング値について分散分析(ANOVA)を行ったところ,0〜10秒値および10〜20秒値で有意性が認められた(p<0.05).自己評価による手先の器用さの水準がタッピング値によって,ある程度,推測できるとことが示唆された.また,中高齢期に至るまでに,自己評価による手先の器用さが変化したと回答した者は48.7%で,そのうち84.8%は器用さが低下したと回答した.

収録刊行物

  • 人間工学

    人間工学 49 (1), 10-17, 2013

    一般社団法人 日本人間工学会

参考文献 (39)*注記

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