水中に沈めたテレスコピック多段式シリンダーゲートを引き上げるときに段間に残留する水量の予測

書誌事項

タイトル別名
  • Prediction of the Volume of Water Remaining between the Stages of the Telescopic Multi-Stage Cylinders at Pull up the Cylinders in the Water
  • スイチュウ ニ シズメタ テレスコピック タダンシキ シリンダーゲート オ ヒキアゲル トキニ ダン カン ニ ザンリュウ スル スイリョウ ノ ヨソク

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抄録

ダム湖の取水には,任意の水位で取水が行われる選択取水設備を設置し,テレスコピック多段式シリンダーゲート形式を採用することが多い。定期点検時には保守・点検のために,水中に沈めたテレスコピック多段式シリンダーゲートを全縮させて格納位置に引き上げる。ゲート段間の水密ゴムの点検を容易にするために,水密ゴムを各段の下部に設置する場合にはシリンダーゲート段間に水が残留することになる。この状態でゲートを巻き上げる際に,大量の残留水重が開閉装置の開閉荷重に加算される。この残留水重の軽減を図ると共に,冷水混合による水温低下の影響を極力低減する手段として,段間底部に開口部(水抜き孔)を設けることが有効である。そこで,簡単な1段のシリンダーのモデルを考え,水中に沈めた底に孔の空いた円筒を水面より上に引き上げるときに,円筒内に残留する水面より上に出る円筒内の水面高さを見積もった。基礎式から水面高さの解析を行い,次元解析を活用して解析解を無次元表示した。さらに,平衡水位高さを導入し水位の無次元量の一般的な関係式を示した。最後に,この一般関係式を多段式シリンダーゲートに活用し,平衡水位と平衡水位に達する時間を求め,残留水量を2~4%に減少させる段間の水抜き孔を設計することができた。

収録刊行物

  • 水利科学

    水利科学 58 (4), 76-92, 2014

    一般社団法人 日本治山治水協会

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