東京における外国人居住者の住まいと住環境に関する研究(2)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A study on the housing and environment of foreign residents in Tokyo (2)

抄録

本研究は,東京における外国人居住者,中でも近年著しく急増しているニューカマーズと呼ばれている外国人を対象に,彼らの日常生活,住宅と住まい方,居住環境,地域コミュニティとの関係などの実態をつかみ,彼らの住まいと住環境に関する現状の問題点を明らかにしようとするもので,建築・都市計画グループと社会学グループ調査の2本立てで行なわれた。本年度は第2年度の調査年次に当たる。今年度調査では,都内で最も外国人の集住が進んでいる新宿地区(北新宿1~3,百人町1,2,大久保1,2丁目)を対象に,より詳細な調査を実施した。建築・都市計画グループは,地域内の老朽化した木造賃貸共同住宅における外国人集住のメカニズムと,建替えによるマンション化の進行と外国人居住の関りに着目し,地域更新が外国人及び日本人の居住者属性の変容と地域環境に変化をもたらす過程を,共同住宅の大家,居住者,不動産業者などへの徹底したヒアリング調査をもとに明らかにしていった。これらの調査を通じて,建替えによリハード面では確実に環境改善が進んでいる一方で,建替えがもたらす共同住宅の管理システムの変化が,地域環境に及ぼす影響など,今後都市のインナーエリアにおける住環境整備を推進していく上での重要な問題点が提起された。また社会学グループも,今年度はフィールドを新宿地区に移し,引き続き外国人居住者(158人)に対する面接調査を実施した。この調査は池袋地区調査の廷長線上にはあるが,地域特性も違い一層の集住化が進展している新宿地区を対象とした結果,本調査の中では,彼らの住まいの実態とともに,結婚など生活者としての厚みを増しつつある外国人居住者の生活像や,日本を第一のステップとしてさらにアメリカやその他の国への再転出を図ろうとする彼らのライフステージの描さ方など,新しい断面が見えてきている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204547814144
  • NII論文ID
    130006730279
  • DOI
    10.20803/jusokennen.19.0_171
  • ISSN
    24239879
    09161864
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ