耳管開放症状を訴える患者に対する鍼治療の1症例

  • 村中 僚太
    筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター
  • 成島 朋美
    筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻
  • 東條 正典
    筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻
  • 野口 栄太郎
    筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻 筑波技術大学大学院技術科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • One case report of acupuncture on the patulous eustachian tube
  • 臨床体験レポート 耳管開放症状を訴える患者に対する鍼治療の1症例
  • リンショウ タイケン レポート ジカン カイホウ ショウジョウ オ ウッタエル カンジャ ニ タイスル シンチリョウ ノ 1 ショウレイ

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説明

【目的】耳管開放症は耳閉感、 呼吸音聴取、 自声強聴などの自覚症状を主体とした難治疾患で、 その多くは原因不明である。 そのため耳管開放症に対する鍼治療に関しては、 ほとんど報告されていない。 今回耳管開放症状を訴える希少な症例を経験したので報告する。 <BR>【症例】43歳、 男性、 団体職員。 <BR> 主訴:呼吸音聴取、 自声強聴、 現病歴:X年10月突如自声強聴を自覚。 同月Y耳鼻科を受診、 聴力低下(-)、 通気療法、 薬物療法。 同月Z大学附属病院耳鼻科にてオトスコープ検査により耳管開放症と診断される。 同年12月より鍼治療開始。 <BR> 現症:ウェーバーテスト (中央)、 聴力正常。 頭板状筋の過緊張。 <BR> 治療方法:患者からの下顎の運動で開放症状が減少するとの訴えを参考に、 咬筋を支配する三叉神経領域の経穴および後頸部の経穴を治療穴に選択した。 <BR>【経過】初診より週1回のペースで計25回の治療を行った。 初診時より耳管開放音をNRS (Numerical Rating Scale) によって評価した。 気圧の変化や精神的ストレスにより増悪緩解を繰り返したが、 症状は初診時の約50%に維持することが出来た。 <BR>【考察とまとめ】顔面部の三叉神経領域および後頚部の大後頭神経を介する三叉神経系への鍼治療が耳管開放症状の軽減に有用であることが示唆された。

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参考文献 (7)*注記

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