「雪国における居住地計画」に関する文献研究

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タイトル別名
  • A study of the paper on the dwelling place's planning in a snowy district
  • 居住地計画の到達点と問題点
  • problem & destination of the dwelling place's planning

抄録

我が国の多雪地における居住地計画研究は,緒についたばかりで既存研究の到達点の把握はもとより,その全体像の解明及方び向づけも明確化されていない。従って,例えば,「雪国における居住地計画」に関する研究を新い研究者が新規に始めようとした場合,どこにどのような文献があり,どのような研究ジャンルがあり,それぞれどれ位の研究成果があり,到達しているのかがわからず,研究に着手のしようも無いのが現実である。そこで,同様な研究を各地で行なっている研究者同士が交流して情報交換し,個々バラバラな文献を一堂に集め,欠落している物を補充し,到達点と問題点を整理し,緒についたばかりの「雪国における居住地計画」に関する克雪建築や克雪宅地計画等のハード面と,雪国居住等のソフト面の両面の研究の全体像を解明し,その分野の研究を推進して行く体制を確立すべく,研究に着手した。本研究では,まず,「雪国における居住地計画」に関する文献を収集し,次にその研究ジャンルを探り,ジャンル別にシソーラスを作成し,キーワード(標準ディスクリプタ)を選定して,カード型データベースソフトに文献を入力し,キーワードによる文献検索が可能となるようにした。この結果,「雪国における居住地計画」に関する文献として約2000件が抽出できた。今回,戦後のほとんど全期間について,学会の研究論文のみならず市町村や道県・国レベルの報告書等が多数リストアップされたことは,大きな成果と言える。しかし,そのほとんどは関連文献で,雪国の居住地の空間整備に絞り狭い意味に限定して探すと,数は大変少なく64件にとどまった。最近,雪国の住民の生活環境改善要求の高まりの中で,国・県・市町村レベルでその改善の取り組みが,雪国の都市計画を意識した基礎的なレベルで活発になっている。これに対し,研究がやや後手に廻っているきらいがある。雪国の居住地整備のムダを排するためには,今後,研究成果を受けて行政が対策や整備を推進して行ける体制づくりを早急に研究者側に樹立する必要がある。今回の報告がその一助になれば幸いである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204548313216
  • NII論文ID
    130006730219
  • DOI
    10.20803/jusokennen.16.0_197
  • ISSN
    24239879
    09161864
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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