高齢者の過敏性腸症候群に鍼灸治療が有効であった2症例

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タイトル別名
  • Two cases of irritable bowel syndrome in the elderly successfully treated with acupuncture
  • コウレイシャ ノ カビンセイ チョウ ショウコウグン ニ シンキュウ チリョウ ガ ユウコウ デ アッタ 2 ショウレイ

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抄録

【緒言】高齢者の愁訴として過敏性腸症候群 (IBS) を含めた慢性の便通異常が多い。IBS症状を呈した高齢患者2例に鍼灸治療を行い、効果を検討した。<br>【方法】[症例1] 72歳女性。数十年前から腹痛を伴う下痢が多くみられた。2003年2月に増悪して大学病院内科に入院となり、精査にて異常所見なく一旦退院した。同年4月に再燃して再度入院となり、鍼灸治療を開始した。[症例2] 88歳男性。80歳頃から毎日腹痛や膨満感を伴う軟便や便秘がみられ、同科で投薬治療を受けたが症状の改善が得られず、鍼灸治療を開始した。<br>[評価] 腹痛や便通状態は便通日誌、QOLはGSRS日本語版を用いた。<br>【結果・まとめ】2例とも、鍼灸治療開始後に、腹痛・腹部膨満感の減少、便性状、QOLの改善が得られ、服薬量も減少した。鍼灸治療の休止1~2ヶ月後には、腹痛やQOLに軽度の再燃を認めた。2例とも鍼灸治療が有用であった。高齢者IBSに対し、鍼灸治療を積極的に試みる価値がある。

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