抄録
今世紀前半の発生が予想される南海地震では, これまで津波とは無縁と思われてきた瀬戸内沿岸域においても, 3m以上の津波高あるいは満潮時に2m以上の浸水が予想されている. しかしながら, 瀬戸内海の津波挙動に関する研究は十分とはいえず, 解明すべき多くの問題が残されている. 本研究では, 瀬戸内海域の津波挙動に及ぼす, 潮位, 潮流および内海の閉鎖性の影響について考察した. その結果, 津波高の予測値に及ぼす初期潮位や潮流の影響は50cm未満であること, 内海に進入した津波は減衰するのに半日~1日程度要すること, 東の紀伊水道を透過し, 播磨灘と大阪湾に進入した津波の50~80分の周期成分は減衰されにくいことを示した.
収録刊行物
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- 海岸工学論文集
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海岸工学論文集 53 261-265, 2006
公益社団法人 土木学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204551812352
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- NII論文ID
- 130003991947
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- ISSN
- 18848222
- 09167897
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可