複数ピークからなるESRスペクトルのピーク分離解析

  • 菊地 正博
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター 放射線生物作用研究ディビジョン マイクロビーム細胞照射研究グループ
  • 永田 夏樹
    国立大学法人北海道教育大学函館校
  • 菰田 聖一
    国立大学法人北海道教育大学函館校
  • 亀谷 宏美
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
  • 鵜飼 光子
    国立大学法人北海道教育大学函館校
  • 小林 泰彦
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター 放射線生物作用研究ディビジョン マイクロビーム細胞照射研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Peak-Fitting Analysis with Gaussian Line Shapes Against Experimental ESR Spectrum Consisting of Multiple Peak
  • フクスウ ピーク カラ ナル ESR スペクトル ノ ピーク ブンリ カイセキ

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説明

照射食品に誘導されたフリーラジカルの不対電子の緩和時間は,ラジカル相互作用の指標となる。連続波(CW-)ESRを用いる場合,1本線のピークではLund法のシミュレーションを用いる事ができる。複数ピークからなるCW-ESRスペクトルから緩和時間を求めるため,ピーク分離を行った。緩和時間はパルスESRで直接測定可能である。CW-ESRで複数ピークとなるスペクトルに対して,そのままLund法のシミュレーションを適用して,照射アミノ酸の緩和時間を求めたところ,パルスESRの測定結果とは全く異なっていた。複数ピークをもつ照射アミノ酸のスペクトルに対してGaussianピークとしてフィッティング後,それぞれのピークに対してLund法を適用して求めた緩和時間T2は,パルスESRで測定された値とよく一致していた。CW-ESRによる測定で,複数ピークをもつESRスペクトルが得られた場合,ピーク分離後にLund法を適用する解析法は,緩和時間を求める際に有効と考えられる。パルスESRで複数ピークが同じg値をもつ時,CW-ESRでラジカル構造を踏まえたピーク分離を行うと,簡単に緩和時間を求められると考えられる。

収録刊行物

  • 食品照射

    食品照射 50 (1), 13-19, 2015

    日本食品照射研究協議会

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