アセトンを還元してイソプロパノールを生成する細菌に就て(第5報)
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- 星野 一雄
- 協和醗酵工業株式会社
書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on the Organism Producing Isopropanol from Acetone. Part V
- Enzymological on the Oxidation-Reduction of <i>Lactobacillus brevis</i> var. <i>hofuensis</i>
- <i>Lactobacillus brevis</i> var. <i>hofuensis</i>の酸化還元反応に関する酵素学的研究(其の2)
説明
(1) Lactobacillus brevis var. hofuensisの菌体抽出物をもって同菌のもつイソプロパノール,アセトン及びエタノール,アセトアルデヒド両系の酸化還元反応に検討を加えた.<br> (2) 色素の還元,酸素吸収は燐酸緩衝液(pH7.3)を可とする.前者によりイソプロパノール酸化に関する見かけのミハエリス恒数を求めた.<br> (3) イソプロパノール脱水素に関する酵素の耐熱性を検討した.<br> (4) TPNH生成反応における補酵素濃度を検討した.<br> (5) SiO2磨砕による抽出法がイソプロパノール脱水素系抽出に良い結果を与えることを証明した.<br> (6) 両系の脱水素反応における平衡恒数を求めイソプロパノール,アセトン系が酸化的,エタノール,アセトアルデヒド系が還元的であることを証明した.<br> (7) 実験室において作成したTPNHは菌体抽出物によって酸化される.但しmammalian cytochrome cは還元されない.<br> (8) 本菌はKCN sensitiveな呼吸系をもっ.また酸素吸収量はカタラーゼによって影響されない.<br> (9) アセトアルデヒド還元反応はp-chloromercuribenzoateによって阻害されるが, monoiods acetic acid不感である.またアセトン還元は共に阻害を受けない.故に両系は別種の酵素系による反応であることを推測した.<br> (10) G-6-Pまたは6-PGとアセトンによるTPNの酸化還元反応はdietfiylbarbiturateによりTPNHをpoolする.<br> (11) 両系の酸化能,電位よリイソプロパノール脱水素系におけるflavoproteinの果す役割について考察を加えた.<br> (12) 本菌のイソプロパノール,アセトン酸化還元に関与する酵素にイソプロパノール脱水素酵素(isopropanol dehydrogenase)なる名称を提案した.
収録刊行物
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- 日本農芸化学会誌
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日本農芸化学会誌 34 (7), 608-615, 1960
公益社団法人 日本農芸化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204563063296
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- NII論文ID
- 130001230940
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- ISSN
- 18836844
- 00021407
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可