トリプシンの尿素変性に対する界面活性剤の影響(第1報)

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Detergents on the Denaturation of Trypsin by Urea. Part I
  • トリプシン ノ ニョウソ ヘンセイ ニ タイスル カイメン カッセイザイ ノ エイキョウ 1
  • Antagonism between Urea and Sodium Dodecyl Sulfate in the Denaturation of Trypsin
  • 尿素及びsodium dodecyl sulfateの変性作用の拮抗について

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説明

尿素によるトリプシンの変性失活に対するsodium dodecyl sulfate (SDS)の影響を, SDSのトリプシンに対する比率を変え,中性付近で検討し次のような結果を得た.<br> (1) 尿素が低濃度(3M)のときはSDSはトリプシンに対し,尿素のない場合とほとんど同様の変性作用を示すが,高濃魔(9M)尿素の存在下でSDS/トリプシン比が2~4の範囲では,トリプシンの尿素による不可逆的失活を阻止する,上記比率以下では著しい影響はみられず,以上ではSDSによる失活が一応優先する.<br> (2) トリプシンのSDSのみによる失活は,中性付近ではSDS/トリプシン比がやはり2~4の間で最大である.したがってSDSがトリプシンを失活させる場合のSDS/トリプシン比と,トリプシンの尿素による不可逆的失活を阻止する場合の比はほぼ等しい.<br> (3) 結局上記の条件下で9M尿素と,トリプシンに対し2~4倍の濃度で含まれるSDSとは,互いに他のトリプシン変性作用を阻止することが認められた.

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