Studies on the Chemical Properties of Hydrocyanic Acid. Part III

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Other Title
  • 青酸性状に関する研究(第3報)
  • セイサン セイジョウ ニ カンスル ケンキュウ 3
  • Polarographic and Ultraviolet-photometric Studies on Hydrocyanic Acid Tetramer and Related Compounds
  • 青酸4量体の近縁化合物のポーラログラフ及び紫外分光分析について

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Abstract

青酸4分子重合体及び近縁化合物につきポーラログラフ並びに紫外分光分析により検討を行った結果,その分子構造は,従来提出されている2つの推定構造中diamino maleodinitrile [I].<br> N≡C-〓-C≡N<br> の方がよく実験結果と一致することを知った.<br> 従って(HCN)4の定量分析の基礎となる分子構造は[I]が妥当なものであろうと推論した.<br> 実験結果については次の通りであった.<br> (1) >C=C<結合について:ポーラログラフ並びに紫外分光分析の両測定結果は,コハク酸に対しては,還元波並びに十分な紫外吸収を示さなかったが,共役2重結合を行っているマレイン酸は,還元波及び著しい紫外吸収を現わした,同様の結果が(HCN)4において得られるから,その分子構造内に>C=C<結合の存在が推定された.<br> (2) =NH, -NH2結合について:両分析法を用い,これら2つの結合基を直接検出測定することができなかったが, (HCN)4の著明な還元及び吸収に対し直接の起因でないことを知った.<br> (3) -C≡N結合について:ポーラログラフによる酸化波より, (HCN)4中にニトリル基の存在することを定性的に明らかにした.紫外分光分析においてニトリル及び(HCN)4が発光することを知り,青酸中に生ずる(HCN)4に対する螢光鑑識の可能性を見出した.<br> (4) トリアジン環について:紫外分光分析の結果から(HCN)4の分子内にトリアジン環が存在すると考えることは,不適当と思われた.

Journal

  • Nippon Nōgeikagaku Kaishi

    Nippon Nōgeikagaku Kaishi 36 (2), 167-172, 1962

    Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry

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