病害虫無防除カンキツ園内における昆虫相の―事例
抄録
1.1970~1974年の5年間薬剤処理を中止した15年生早生温州園の昆虫相を明らかにし,その群集の推移,変遷を検討した。<BR>2,調査期間を通じて,昆虫類69種,クモ類11種をえた。優占種はアメイロアリ,アミメアリ,クロヤマアリのアリ類,春期ユキヤナギアブラムシ,秋期ミカンクロアブラムシのアブラムシ類であった。<BR>天敵類ではササグモ,クサグモ,ネコハエトリグモのクモ類を主体に,テントウムシ類,寄生蜂類,カマキリ類の順であった。<BR>3・複雑な昆虫群集を形成する時期は5月の開花,6月,7月,9月,10月であり,5月下旬,8月中下旬は単純な昆虫群集であった。、,<BR>4・昆虫群集構成の季節的変遷をみると,5月は開花現象のため,優占種も含めて交代が著しく,群集形態が変化しやすい時期である。6月~10月はアリ類を優占種とする昆虫群集であるが,6月~7月は各種の昆虫の成虫,幼虫が入りみだれた構造で,8月中~下旬を境にして9月~10月は成虫主体の昆虫群集となった。<BR>5・本調査において捕獲されていない定着性昆虫・ダニ類,歩行昆虫を含めた昆虫相を調査する必要がある。
収録刊行物
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- 九州病害虫研究会報
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九州病害虫研究会報 21 37-39, 1975
九州病害虫研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204565419136
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- NII論文ID
- 130003635703
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- ISSN
- 18840035
- 03856410
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可