『学校図書館の手引』にみる戦後初期の学校図書館論の形成

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タイトル別名
  • The Emergence of the Principles of Japanese School Librarianship in the Early Post-War Period : A Textual Analysis of the GAKKO TOSHOKAN NO TEBIKI
  • ガッコウ トショカン ノ テビキ ニ ミル センゴ ショキ ノ ガッコウ トショカンロン ノ ケイセイ

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抄録

本稿では, 1947年から1948年に, 日米の関係者の協働によって編集された『学校図書館の手引』の内容・記述を, 複数の日本人の編修委員が当時目にしたと述べていた米国の8冊の図書と対照させながら, 分析した。特に第2章第1節「設置の基準」と第4章第2節「図書および図書館利用法の指導」には, 当時の米国の図書の影響がはっきりと認められた。しかしその他の章や節, たとえば第3章「学校図書館の設備」;第4章第1節「図書委員の構成と活動」;同第3節「読書指導の実施」;同第5節「学級文庫の指導」;同第6節「読書会・発表会の開催と読書クラブの奨励」;同第9節「図書の増加と図書費の問題」では, 日本人執筆者の判断によると考えられる記述が目立った。つまり, 『学校図書館の手引』には, 米人ライブラリアンの指示や, 当時の米国の学校図書館に関する図書の内容・記述が反映されていたが, そればかりではなく, 日本人の執筆者各人の経験や専門分野の知識も少なからず反映されていた。

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