非再建例における人工材料による切除創被覆術

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  • Extended application of polyglycolic acid sheet combined with sprayed fibrin glue to locally advanced oral cancers

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抄録

口腔癌に対する治療は手術が第一選択であるが、高齢・基礎疾患などの場合、進行癌ではその治療法に苦慮する。筆者らは 2007 年に早期口腔咽頭癌切除後の粘膜欠損に対し PGA シートとフィブリン糊による被覆法 (MCFP法:Mucosal defect Covered with Fibrin glue and Polyglycolic acid sheet) を開発し有用性を報告したが、適応を絞れば、局所進行口腔癌に対しても使用が可能となるので報告する。対象は 2007 年より 2012 年まで京都大学 (~2009) と京都医療センター (2009~)において MCFP法を施行した T3/T4 症例 20 例 (下歯肉 7、舌 7、頬粘膜 5、口腔底 1 ) とした。処置を要する術後出血は 1 例、9 例で NSAID を不要とし、1 例以外全例で 1 カ月以内に固形物の摂取が可能となった。術中に頸部と交通を認めた 12 例中 3 例で創部感染を、うち 1 例で瘻孔を生じたが全例保存的に治癒した。MCFP法は適切な適応を選択すれば局所進行口腔癌に対して、極めて有用な治療法の一つになると思われる。

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 59 (Suppl.1), S70-S76, 2013-12-20

    耳鼻と臨床会

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