下顎枝矢状分割術における生体内吸収性ポリ-L-乳酸骨接合ミニプレート固定の術後安定性について

  • 佐藤 和朗
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 村田 純一郎
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 富岡 宗弘
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 清野 幸男
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野
  • 横田 光正
    岩手県立中央病院歯科口腔外科
  • 水城 春美
    岩手医科大学歯学部口腔外科学講座顎口腔外科学分野
  • 三浦 廣行
    岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Postsurgical stability following sagittal split ramus osteotomy with biodegradable Poly-L-lactide bone mini plate fixation

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抄録

左右非対称のない下顎前突症患者に対する下顎枝矢状分割術において,ポリ-L-乳酸製(PLLA)ミニプレート固定法による術後の顎態の安定性について検討を行った.両側下顎枝矢状分割術(SSRO)を施行し,下顎骨の後退量に左右差のない患者40名(男性17名,女性23名)を対象とした.これらの骨固定に際し,PLLAミニプレートを使用した患者22名(男性9名,女性13名)をPLLAプレート群とし,チタンミニプレートを使用した患者18名(男性8名,女性10名)をチタンプレート群とした.手術直前,手術後1か月,手術後1年に撮影した側面頭部X線規格写真の分析を行い,顎態の安定性について検討した.その結果,手術後1年ではPLLAプレート群およびチタンプレート群両群の男女ともに著しい後戻り様変化は認めなかった.このことから,SSROを用いた左右差のない下顎後退術に対するPLLAミニプレート固定は,術後顎態の安定性の観点からはチタンミニプレート固定と比較して何ら問題点はなく,プレートの除去手術が回避できる点で有益であると考えられる.アレルギーの有無や,顎骨の移動量等を総合的に判断し,PLLAミニプレートかチタンミニプレートを選択することができると考えられる.

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参考文献 (16)*注記

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