海水由来栄養塩類の陸域への自然供給量-「塩益」の定量評価

  • 中西 康博
    東京農業大学国際食料情報学部
  • 松谷 達馬
    東京農業大学大学院農学研究科(現,宮城県大崎農業改良普及センター)
  • 小沢 聖
    国際農林水産業研究センター島嶼研究拠点(現,明治大学黒川農場)
  • 成岡 市
    三重大学大学院生物資源学研究科
  • 古家 克彦
    一般財団法人沖縄県環境科学センター環境科学部
  • 小笠原 敬
    一般財団法人沖縄県環境科学センター環境科学部

書誌事項

タイトル別名
  • Plant Nutrients Naturally Supplied to Land from Seawater
  • カイスイ ユライ エイヨウ エンルイ ノ リクイキ エ ノ シゼン キョウキュウリョウ : 「 エンエキ 」 ノ テイリョウ ヒョウカ

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抄録

海水由来植物栄養の陸域飛来量(自然供給量)を,三重県中部津市域を対象として,琉球列島の沖縄島南部地域,宮古島,石垣島の各5地点で2009年7月~2011年12月に調査した.その結果,1)琉球列島のNa飛来量は,津地域の約5~15倍に達した.2)各調査地点におけるCl/Na比は,標準的海水比1.798に近似した.3)琉球列島における海塩由来K量は0.4~1.2 g m-2 y-1であった.4)飛来した硝酸態Nと無機態N総量は,津地域でそれぞれ0.21~0.67,0.39~1.05,沖縄島で0.22~0.36,0.34~0.80,宮古島で0.13~0.33,0.32~0.51,石垣島で0.16~0.37,0.23~0.60 g m-2 y-1であった.5)Na飛来量は,北風系が優勢となった期間では日平均風速の期間最大値との間で高い正の相関関係が,また台風時には最大瞬間風速との間にきわめて高い相関関係が示された.6)琉球列島における台風時のNa飛来量は,津地域の約11~22倍に達した.

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