画像融合空間を用いた複数の光源を持つ陰影画像の生成

書誌事項

タイトル別名
  • Generating Shaded Image with Lightings Using Image Fusion Space
  • ガゾウ ユウゴウ クウカン オ モチイタ フクスウ ノ コウゲン オ モツ インエイ ガゾウ ノ セイセイ

この論文をさがす

抄録

ある光源で照明された画像と別の光源で照明された画像を入力とし,両方の光源で照明された画像を生成する問題を考える.一般に,照明の重ね合わせの原理が述べられており,同一画素の画素値を足し合わせることでこの問題を解くことが可能になる.感度自動制御機能がある一眼レフを用いて撮影した場合,カメラの内部パラメータが変更されるために,照明の重ね合わせの原則を満たさないことが生じる.このような状況下で撮られた2枚の写真を用いて,同一画素の画素値の足し合わせにより,両方の光源で照明された画像を生成することは困難である.他方で画像融合法では一般に照明問題を扱っていないので,従来提案されている画像融合法を用いて,これらの画像を生成することは困難である.本研究では従来提案されている画像融合法の隣接関係を記述する画像融合空間を導入し,画素ごとに画像融合空間から適応的に適した融合法を選択することで,複数の光源を持つ画像をそれより少ない光源を持つ画像を複数枚融合することで生成する.光源の異なる同じ視点から撮影された画像をHSI変換することで明度画像を取り出し,ヒストグラムを作成し,それぞれの画像のヒストグラムから二つのしきい値をもとに,三つの領域に分類することで,順光と逆光を識別し明度画像から活動レベルを抽出した.またこの活動レベルを用い,それぞれの 領域に応じたパラメータを用いることで,明度画像,彩度画像,色相画像をそれぞれ融合し,HSI逆変換することで,複数の光源におこる陰影を表現した画像 を生成する.実際に異なる照明による複数の画像を,それより少ない照明による複数の画像を融合することで生成できることを示す.実際に本手法を用いて融合方法を決定し,異なる物体で異なる方向からの光源で撮影された画像に適用し有効性を示す.

収録刊行物

  • 画像電子学会誌

    画像電子学会誌 37 (5), 617-627, 2008

    一般社団法人 画像電子学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ