キャッシュ型コンテンツ配信における階層データによる映像品質管理方法に関する一考察

  • 児玉 明
    広島大学大学院総合科学研究科 広島大学情報メディア教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Consideration on Video Content and Quality Management Methods Using Hierarchical Data in Content Caching and Delivery
  • キャッシュガタ コンテンツ ハイシン ニ オケル カイソウ データ ニ ヨル エイゾウ ヒンシツ カンリ ホウホウ ニ カンスル イチ コウサツ

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抄録

本研究では,コンテンツ取得の高速化,サービスコストの低減を目的として,品質を考慮したキャッシュ型コンテンツ配信におけるキャッシュデータ管理方法に着目した.コンテンツ配信システムを定義し,利用頻度,品質情報に基づいたコンテンツ優先度を定義した.この優先度を利用したキャッシュにおける階層型品質データの管理方法について説明した.本情報管理方法において単一品質利用と複数品質利用に分けて考察した.高品質の単一利用の場合,低品質データのみのキャッシュではキャッシュ効果がないことを理論的,かつ実験的に明らかにした.したがってキャッシュするコンテンツ品質は,階層構造の部分データではなく利用頻度の高い品質とすることが重要である.次に複数品質利用において,利用モデルを定義して,キャッシュコンテンツのヒット率,伝送情報量の観点から考察した.頻度優先で品質データを扱うと,低品質のみのキャッシュと比較して最大7.46 倍までヒット率が向上するとともに,伝送量を最大0.53倍に抑制できた.また,本方法で利用したスケーラブル構成はサイマルキャスト構成と比較して,アクセス分布が変動した場合,データ伝送量を最大約55%削減可能となった.以上より,各品質利用ともに頻度を品質独立で管理するのが有効であり,品質に対応した階層データをキャッシュデータ管理することで,コンテンツ管理効率が向上することを明らかにした.

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