夏季の埼玉県所沢市における都市郊外大気の有機硝酸全量観測

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タイトル別名
  • Measurement of atmospheric total organic nitrates at a suburban site in Tokorozawa, Saitama, in summer
  • カキ ノ サイタマケン トコロザワシ ニ オケル トシ コウガイ タイキ ノ ユウキ ショウサン ゼンリョウ カンソク

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抄録

<p>有機硝酸ONs (RONO2) は大気光化学反応によってオゾンO3とともに生成する。効果的なオキシダント対策のために、過酸化ラジカルRO2とNOの反応におけるONs生成分岐比αの把握が必要だが、国内の都市郊外での観測事例は不十分である。本研究では、熱分解/キャビティ減衰位相シフト法TD/CAPSに基づくONs計を用いて、2015年夏に埼玉県所沢市にて有機硝酸全量ONsの実大気観測を試みた。オゾン高濃度イベント (ポテンシャルオゾンPO=NO2+O3として最大152 ppbv) を含む3日間、観測データを収集した。NO2変動を考慮したデータ選定ののち、POとONsの相関解析での回帰直線の傾きからαを算出した。その結果、期間全体としてα=0.04を得た。さらに気象条件を考慮したところ、郊外由来の試料と都心部由来の試料が時間とともに入れ替わる様子が確認された。今回の事例では、都心部由来 (α=0.05) は郊外 (α=0.02) よりもONs生成分岐比が大きく、ONsへの分岐に伴うオゾン生成抑制が効果的であることがわかった。ONs経由のNOx消失速度を概算したところ、硝酸経由のNOx消失速度に匹敵する可能性が示された。</p>

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