車両利用中のアイドリングストップが大気環境に及ぼす影響の考察

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of the Effects on Atmospheric Environment by "No Idling" Action during Vehicle Use
  • シャリョウ リヨウチュウ ノ アイドリングストップ ガ タイキ カンキョウ ニ オヨボス エイキョウ ノ コウサツ

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説明

車両利用中のアイドリングストップ(IDST)により、新長期規制対応車と昭和53年規制車とで燃料消費、汚染物質排出がどの程度異なるかを平均速度の異なる走行モードを使ったシャシーダイナモ試験により調査した。その結果、いずれの車両も燃費改善効果がある、COは規制値を超える可能性がある、NOxは変化が小さいもしくは減少する、HCの排出は増えるが規制値より少ない、ことを確認した。つぎに、アイドリング比率の異なる走行への影響を検討し、規制年に関わらず、約9km/hでの20数%から約29km/hの2%余までの燃費改善効果、汚染物質のCOとHCでは、低速域で排出が増加する一方、NOxは低速域で排出が減少することを明らかにした。さらに、非IDST車の運転者に対して、渋滞がひどく平均速度が10km/hに満たない場合にはIDSTを実施すべきではなく、10数km/h超で安全面を配慮する場合には実施してもよいと提案した。一方、自動IDST車両は、公定試験モード以外でも燃費向上と排出ガス削減をほぼ達成することを確認し、この種の車両が増える現状は望ましいと評価した。手動でIDSTを実施した車の方が排気が清浄な同車格の車両が存在するほど同一規制対応でも車両差は存在し、実際の環境改善には、このような情報を消費者の車両選択に提供することが必要と指摘した。なお、本結果は、各排出ガス規制対応としては1台もしくは2台程度の車両による試験であり、多くの車両での確認が今後の課題である。

収録刊行物

  • 大気環境学会誌

    大気環境学会誌 47 (4), 155-161, 2012

    公益社団法人 大気環境学会

参考文献 (10)*注記

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