首都近郊小規模森林における生物起源揮発性有機化合物(BVOCs)の大気動態

書誌事項

タイトル別名
  • Biogenic volatile organic compounds in a small forest near Greater Tokyo, Japan
  • シュト キンコウ ショウキボ シンリン ニ オケル セイブツ キゲン キハツセイ ユウキ カゴウブツ(BVOCs)ノ タイキ ドウタイ

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抄録

東京都新宿区から33km離れた東京都八王子市の小規模森林(東京農工大学FM多摩丘陵、16ha)にある高さ30 mの観測タワーを用いてコナラ樹冠上部(14 m)、樹冠下部(1 m)、森林内の樹冠のない開けた地点を林外とし、計3地点で生物起源揮発性有機化合物(BVOCs; イソプレン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、δ-3-カレン)の採取を行った。イソプレンは3地点ともに明確な昼夜変動が見られ、日中に高く、夜間に低下した。樹冠上部で最高濃度11.1 ppbvを示した。モノテルペン(α-ピネン、β-ピネン、リモネン)は明確な昼夜変動は見られず、樹冠下部および林外で樹冠上部よりも高濃度になる傾向にあった。δ-3-カレンはいずれの地点も検出限界だった。イソプレンとモノテルペンには相関はみられず、モノテルペンではピネン類とリモネンの相関性が低いことから、イソプレンとピネン類とリモネンでそれぞれ別の放出源を持つ可能性を示唆した。一方、α-ピネンとβ-ピネンは正の高い相関性を示すことから、同一樹種からの放出と考えられた。FM多摩のBVOCs濃度は都心部の新宿の約10倍であり、日本の森林面積の約30%を占める里山におけるBVOCsの観測の重要性を確認した。

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