アゾラ-合鴨-稲の有機的生産システムにおける水田のpH, 水温および土壌化学成分の変化とその肥料効果

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タイトル別名
  • Water pH, water temperature, and soil elements in the paddy fields under the integrated Azoll-Duck-Rice farming system and its manuring effects
  • アゾラ アイガモ イネ ノ ユウキテキ セイサン システム ニ オケル スイデン ノ pH スイオン オヨビ ドジョウ カガク セイブン ノ ヘンカ ト ソノ ヒリョウ コウカ

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抄録

アゾラ-合鴨-稲の有機的生産システムにおける水田のpH、水温および土壌化学成分の変化を明らかにするとともに、その肥料効果を検討した。水田のpHは試験期間中ほとんど変化しなかった。水温は対照区に比べ、1〜2℃低かった。土壌成分について、他の3区の全窒素含量が試験前より有意(P<0.05)に低下したのに対して、アゾラ-合鴨区では試験前より有意(P<0.05)に高くなる傾向が認められた収穫期のアゾラ-合鴨区の全窒素含量は対照区、合鴨区およびアゾラ区より有意に高かった(P<0.05)。全炭素含量においても、全窒素含量とほぼ同様な結果が認められた。可給態リン酸においては、対照区、アゾラ区では試験前より低くなる傾向が認められ、アゾラ-合鴨区では試験前より有意(P<0.05)に高いものの、合鴨区より顕著に低いことが認められた(P<0.01)。カリにおいては、試験前より各試験区で増加する傾向が認められた。水稲分げつ期の茎と葉および出穂期の茎と穂の窒素濃度は、アゾラ-合鴨区では、他の区に比べ、有意(P<0.05)に高いことが認められた。本試験では、アゾラによって固定された窒素は少なくとも4.78g/m^2以上であったと推察された。アゾラと合鴨による交互作用は収穫期の土壌の全窒素と可給態リン酸において認められ(P<0.01)アゾラ接種区や合鴨放飼区との違いが大きいことから、アゾラの効果が合鴨を放飼した場合で高まることが指摘された。日本家畜管理学会誌、34(2) : 51-56,19981998年7月21日受付1998年11月4日受理

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参考文献 (12)*注記

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