宮崎県椎葉村におけるクヌギ林内放牧地の温度, 日射環境および植生の特徴

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タイトル別名
  • Characteristics of Air Temperature, Solar Radiation and Vegetation on a forest-pastoral system under Quercus acutissima Carr.Trees in Shiba Village of Southern Japan.
  • ミヤザキケン シイバソン ニ オケル クヌギ リンナイ ホウボクチ ノ オンド

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抄録

林畜複合生産システムの一形態としてのクヌギ林内放牧に関する調査・研究の一環として、クヌギ林内放牧地(宮崎県椎葉村)における気温日射環境および植生の特徴を検討した。1.日平均気温には、林内と林外との間で年間を通じて差異がみられないが、林内は春〜秋の放牧期間に日最高気温が低く、他方日最低気温は高い値を示し、気温の日較差が小さい傾向を示した。2.スギ林地(栽植後10年経過、立木密度約1,800本/ha)の相対日射量は、季節を通じて10%前後で推移した。クヌギ林内放牧地(栽植後9年経過、立木密度約1,492本/ha)の相対日射量は季節によって大きく変化し、11月から3月には60〜80%で推移し、4月には、100%に達した。その後、相対日射量はクヌギ葉の展開に伴って低下したが、8〜9月においても25〜30%を維持した。3.放牧しないクヌギ林地において出現した植物種数は9科16種であり、主要植物種の被度はススキ56.3%、スイカズラ12.4%、ミツバアケビ5.1%で、ススキ優占の植生であった。放牧開始から5年を経過したクヌギ林内放牧地では、クヌギ林地と比較して出現種数が多く、また、ススキが衰退し、導入されたオーチャードグラスおよびイチゴツナギ、アオスゲが優占する植生へと変化した。日本家畜管理学会誌、34(1) : 29-36、19981997年12月15日受付1998年5月18日受理

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参考文献 (12)*注記

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