ロールベールサイレージの評価についての一事例

書誌事項

タイトル別名
  • An Evaluation of Round Bale Silage
  • Evaluation of Round Bale Silage

この論文をさがす

抄録

近年、低水分牧草をロールベールとし、ストレッチフィルムで被覆密閉して調製したサイレージを家畜に給与する体系が全国的に急速に普及しつつある。本報では、予乾したイタリアンライグラス(水分60%)を用いて調製したロールベールラップサイレージの発酵品質、飼料成分、調製に伴う成分損失、生産費および家畜生産性について、同時に刈り取ってそのままトレンチサイロに埋蔵して調製したサイレージ(水分90%)と比較した。その結果、発酵品質はロールベールサイレージの方が有意に高かった。細胞壁構成物質(NDF)含量および反芻胃内微生物によるin vitro消化性においては両サイレージで有意な差はなかった。ロールベールサイレージの調製に伴って8%の乾物が損失した。一方トレンチサイロでの乾物損失は29%であった。これを考慮して両サイレージの生産費を試算すると、ロールベールサイレージのほうが乾物1kg当たり23円安かった。未経産雌牛(ホルスタイン種×黒毛和種、14-16ヵ月齢)を用いた飼養試験では、乾物採食量はロールベールサイレージの方が多い傾向を示したが、日増体と飼料効率は同程度であった。日本家畜管理学会誌、35(1) : 1-5,1999 1998年10月30日受付1999年4月9日受理

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ