小脳海綿状血管腫の2例

  • 中川 敬夫
    福井大学医学部脳脊髄神経外科 金沢大学医薬保健研究域保健学系 金沢大学附属病院リハビリテーション部
  • 橋本 智哉
    福井大学医学部脳脊髄神経外科
  • 佐久間 敬宏
    福井大学医学部脳脊髄神経外科 杉田玄白記念公立小浜病院脳神経外科
  • 井戸 一憲
    福井大学医学部脳脊髄神経外科 金沢大学附属病院リハビリテーション部
  • 菊田 健一郎
    福井大学医学部脳脊髄神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of cerebellar cavernous angioma

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説明

症例は,27歳(症例1)および39歳(症例2)の男性で,ともに突然のめまい,悪心・嘔吐で発症した.頭部CTにて小脳出血を認め,頭部MRIの所見と併せ,海綿状血管腫を疑った.2症例とも症状が速やかに消失したため,保存的に経過観察したが,症例1は約2カ月後に,症例2は8日後に再出血を来した.摘出術を施行し,ともに神経症状を残すことなく社会復帰した.病理所見にて海綿状血管腫と診断した.出血性小脳海綿状血管腫の再出血率はいまだ不明であるが,天幕下海綿状血管腫のうち,脳幹や脳神経に局在するものと比べると,摘出術による後遺症を引き起こす危険性は小さく,摘出術が治療として推奨される.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 32 (2), 197-202, 2010

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (29)*注記

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