失行を中心に多彩な認知機能障害を呈した脳梗塞症例に対するリハビリテーション

DOI Web Site 参考文献13件 オープンアクセス
  • 鈴村 彰太
    国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
  • 大沢 愛子
    国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
  • 植田 郁恵
    国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
  • 森 志乃
    藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I 講座
  • 近藤 和泉
    国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
  • 前島 伸一郎
    同リハビリテーション医学II 講座

書誌事項

タイトル別名
  • Rehabilitation for multiple cognitive dysfunction included in apraxia due to cerebral infarction: a case report

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説明

<p>失行は日常生活活動(activities of daily living: ADL)に大きな影響を及ぼすが,症候が複雑で行為の誤り方に個別性・多様性が存在するためリハビリテーション手法の確立は困難で,その障害や治療に関する詳細な検討もほとんどない.我々は左頭頂側頭葉のアテローム血栓性脳梗塞で,ごく軽度の右片麻痺と感覚障害に加え,観念失行・観念運動失行・肢節運動失行を呈した82 歳女性を経験した.特に食事動作に関し,右手では困難な動作をまず左手で実施し,その後道具を右手に持ち替える方法を取り入れ,誤りなし学習を徹底したところ,動作の自立を果たした.本症例の改善機序として,左上肢の使用により右上肢の体性感覚が補われたことで,誤りの認知や道具使用に関する意味概念への到達が可能となり,正しい運動プログラムの惹起が促進されて,右手の運動学習につながったものと推察された.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 39 (4), 292-298, 2017

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (13)*注記

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