プロテインエンジニアリングを利用した次世代バイオ創薬  分子進化技術によるサイトカイン機能改変体の創製とDDS

  • 角田 慎一
    独立行政法人医薬基盤研究所バイオ創薬プロジェクト 大阪大学大学院薬学研究科医薬基盤科学分野
  • 堤 康央
    独立行政法人医薬基盤研究所バイオ創薬プロジェクト 大阪大学大学院薬学研究科毒性学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Development of functional cytokine mutants bymolecular evolution and drug delivery technology
  • 分子進化技術によるサイトカイン機能改変体の創製とDDS
  • ブンシ シンカ ギジュツ ニ ヨル サイトカイン キノウ カイヘンタイ ノ ソウセイ ト DDS

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抄録

近年のゲノミクス・プロテオミクス研究の進展により,さまざまな疾患に関与するタンパク質が同定されつつあり,それらタンパク質の医薬品化に期待が寄せられている.しかし,タンパク質は一般に体内安定性にきわめて乏しいため,治療効果を得るためには大量頻回投与が必要となる.とりわけサイトカインは,さまざまな細胞の複数種類のレセプターを介して多様なin vivo生理活性を示すため,目的とする治療作用のみならず副作用の原因となる他の作用までをも同時に発揮してしまう.そのため,タンパク質の臨床応用は制限され,医薬品化に成功した例は限られている.従って,疾患プロテオミクス研究の成果を有効活用した次世代のバイオ創薬研究を成功に導くためには,これらタンパク質固有の問題点を克服しうる創薬テクノロジー,すなわちタンパク療法の最適化に適うDrug Delivery System(DDS)の確立が不可欠である.本稿では,筆者らが確立してきたDDS技術, (1) レセプター親和性・特異性などが高く医薬価値に優れた機能性人工タンパク質を迅速創製できるタンパク質分子進化技術,および, (2) タンパク質の生体内安定性を向上させ,かつ目的治療作用の選択的発現能を付与できる高分子バイオコンジュゲーション技術を利用した次世代型バイオ医薬の開発研究について紹介する.

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参考文献 (27)*注記

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