物理刺激で薬物を放出するゲル担体を利用した患者制御型ドラッグデリバリーシステム

  • 井澤 浩則
    物質・材料研究機構・国際ナノアーキテクトニクス研究拠点,JST-CREST
  • 川上 亘作
    物質・材料研究機構・国際ナノアーキテクトニクス研究拠点,JST-CREST
  • 有賀 克彦
    物質・材料研究機構・国際ナノアーキテクトニクス研究拠点,JST-CREST

書誌事項

タイトル別名
  • Patient-Controlled Drug Delivery System Utilizing Mechanical Stimuli-Responsive Gel Carrier
  • ブツリ シゲキ デ ヤクブツ オ ホウシュツ スル ゲルタンタイ オ リヨウ シタ カンジャ セイギョガタ ドラッグデリバリー システム

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説明

温度や光、磁力など様々な外部刺激に応答する材料が、DDS担体として広く利用されている。これらはDDS概念の具現化に極めて有用である一方で、実現に際してはインフラ整備などが課題になることがある。本稿では、人の手で与える力のみで薬物放出を行うゲルを紹介する。担体ゲル素材は、アルギン酸カルシウムを、シクロデキストリンで架橋することにより合成した。これにモデル薬物として制吐剤のオンダンセトロンを取り込ませ、人の押す力を模倣した刺激を与えると、それに応じて薬物放出が起こることが確認された。本システムはQOLの向上に貢献するだけでなく、インフラ整備が不可能な発展途上国や、ライフラインが途絶えた災害時などでも利用が可能な、新しい薬物投与法として期待される。

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参考文献 (13)*注記

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