新製品開発における「活用(exploitation)」と「探索(exploration)」との比率と,継続的な企業成長との関係に関する実証分析 : 医薬品開発を題材に

  • 鈴木 修
    関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科

書誌事項

タイトル別名
  • An Empirical Analysis of the Relationship between an Exploitation / Exploration Balance and Sustainable Firm Growth : Evidence in new pharmaceutical development
  • シンセイヒン カイハツ ニ オケル 「 カツヨウ(exploitation)」 ト 「 タンサク(exploration)」 ト ノ ヒリツ ト,ケイゾクテキ ナ キギョウ セイチョウ ト ノ カンケイ ニ カンスル ジッショウ ブンセキ : イヤクヒン カイハツ オ ダイザイ ニ

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抄録

医薬品開発に関する長期データを題材に,新製品開発における「活用(exploitation)」的な組織学習と「探索(exploration)」的な組織学習への資源配分バランスと,企業の継続的な成長との関係に関する実証分析を行った。「活用」的な組織学習への資源配分を高めるほど企業の短期的な安定が担保される一方で,「探索」的な組織学習への資源配分を高めるほど企業の長期的な適応が実現されることが示された。さらに,総パイプライン(開発中の新製品候補)の約5割を「活用」的なパイプラインに充てることで,企業の継続的な成長に欠かせない短期的な安定と長期的な適応を同程度に実現できることも示された。本研究の結果,「活用」的な組織学習と,「探索」的な組織学習とを並行して実践できる組織に関する研究の今後の研究課題について,いくつかの示唆が得られた。すなわち,「活用」と「探索」との両立が組織の継続的な成長につながる論理の一端が明らかになった。また従来,組織学習の文脈で考察されてきた「活用」と「探索」の両立と企業戦略との接点も示された。

収録刊行物

  • 研究 技術 計画

    研究 技術 計画 27 (1_2), 27-38, 2013

    研究・イノベーション学会

参考文献 (35)*注記

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