日本における外国人研究者・技術者の雇用

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  • Employment of Foreign Scientists and Engineers in Japan

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抄録

日本政府が専門的技術的分野の外国人を積極的に受け入れるという方針を示している中で,本研究では外国人研究者・技術者に対する需要がどの程度あるのか,また,どのような特徴を持った組織がどのような理由で彼らを需要し,その組織の中で彼らはどのような役割を果たしているのか,また,現在彼らを雇用していない組織はどのような理由で雇用していないのかについて,非営利の研究機関,R&D重視の民間企業,情報サービス産業の民間企業を対象に,独自に収集したデータを用いて分析を行った。外国人研究者・技術者を雇用する一番の理由は,国籍にかかわらず有能な人材を確保するためである。しかし,これは世界的なスーパースターを雇用するという意味ではなく,雇用されている外国人研究者・技術者は日本人でもできる仕事を行い,日本人と同じ様な業績をあげている場合がほとんどである。言い換えれば,日本人と外国人はかなりの程度代替的である。また,別の興味深い発見は,海外の組織に研究・開発・設計を委託している組織と,海外の企業,研究機関,大学と共同研究・開発を行っている組織の方が,そうでない組織よりも外国人研究者・技術者を雇用する傾向があるということである。この場合は,外国人の持つ外国語能力,外国の市場,法,商慣習や海外の技術に関する知識の活用を副次的な目的として,外国人研究者・技術者が雇用されている。

収録刊行物

  • 研究 技術 計画

    研究 技術 計画 21 (3_4), 269-283, 2007

    研究・イノベーション学会

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