急性期脳梗塞部位へのターゲティングと物質移動病態生理学

  • 白石 貢一
    東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 医用エンジニアリング研究部
  • 横山 昌幸
    東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 医用エンジニアリング研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Targeting to acute cerebral ischemic stroke and new pathology based on materials'translocation between bloodstream and organs/tissues
  • キュウセイキ ノウ コウソク ブイ エ ノ ターゲティング ト ブッシツ イドウ ビョウタイ セイリガク

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説明

急性期脳梗塞部位に造影剤や薬物をターゲティングすることにより、新規の画像診断と薬物療法の創成を目指す研究について、現状の診断・治療法の解説と、動物脳梗塞モデルでの造影剤ターゲティングのデータを含めて述べる。脳梗塞は後遺症(麻痺・歩行障害等)によるQOLの低下が大きく、その予後の改善が強く求められている。この疾患に対しての急性期における有効な治療は、現在、組換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(rt-PA)の静脈内投与による血栓溶解療法にほぼ限られているが、その副作用の症候性頭蓋内出血が大きな問題である。この副作用はrt-PAが血管から脳組織に漏出することで起きるので、その漏出を高分子のMRI造影剤で画像化することを試みた。ラットの急性期脳梗塞モデルでは、短時間でこの造影剤が梗塞部位に集積することがわかり、出血危険部位を予測する造影剤開発の可能性が示唆された。最後の項目では、急性期疾患での各種サイズの物質の血液と疾患組織との間の移動と病態との関係に着目し、新たな病態学である「物質移動病態生理学」を提唱する。

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参考文献 (22)*注記

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