日本における独身青年層の親との同居 : 兄弟姉妹数と出生順位の効果を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Coresidence of Young Adults with Their Parents in Japan : Do Sib Size and Birth Order Matter?
  • 日本における独身青年層の親との同居--兄弟姉妹数と出生順位の効果を中心に〔英文〕
  • ニホン ニ オケル ドクシン セイネンソウ ノ オヤ ト ノ ドウキョ キョウ

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説明

本稿は日本における独身青年層の親との同居に対する兄弟姉妹数と出生順位の効果を検討することを目的とするが、これは結婚後については長男が親と同居することがしばしば期待されているのに対して、結婚前については必ずしもはっきりしていないためである。そこで, 1982年に人口問題研究所によって実施された「第8次出産力調査・独身者調査」のデータ(未婚者のみ)を用いてロジスティック回帰分析を行った。兄弟姉妹数は男女いずれにおいても結婚前の親との同居に対して有意な負の効果をもつが、長男・長女(あとつぎ)の続柄は男子においてのみ有意な正の効果をもつ。これらの結果は(1)娘に対して結婚前は親と同居し、結婚後は親と別居するようにとの圧力が強くかかり、(2)長男・長女に対して結婚前も結婚後も親と同居するようにとの圧力が強くかかり、(3)子供数が多い家庭の子供に対して混雑のため、結婚前に親と別居するようにとの圧力が強くかかる、という三つの仮説を裏付けている。結婚直後の親との同居予定の決定要因についてもロジスティック回帰分析が行われた。長男・長女の続柄は男子において非常に有意な効果をもつが、兄弟姉妹数は男女いずれにおいても有意な効果をもたない。このことは長男・長女への結婚後の親との同居に関する規範的圧力が、混雑による逆方向の圧力に左右されることがある結婚前の親との同居に関する圧力よりも強いことを示すようである。

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