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- 野間 剛
- 北里大学大学院医療系研究科小児科学
書誌事項
- タイトル別名
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- Helper T cell paradigm : Th17 and regulatory T cells involved in autoimmune inflammatory disorders, pathogen defense and allergic diseases.
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説明
炎症性疾患・アレルギー疾患の発症・病態形成には,組織に遊走する炎症細胞や組織居住細胞に作用する活性化T細胞が大きな役割をもつ.T細胞が産生するサイトカインはカスケードを形成しTh細胞パラダイムを展開する.<br> Th1, Th2細胞は相互に制御してバランスをとり生命の恒常性を保つが,Th2細胞優位のインバランスはマスト細胞による即時型アレルギー反応を誘導し,好酸球を中心とするアレルギー性炎症,気道過敏性,リモデリングを促進する.Th1細胞は遅延型過敏反応など,細胞性免疫反応を誘導する.また,アポトーシスを促進し上皮細胞の剥離やアトピー性皮膚炎の海綿状形成を誘導する.Th17細胞は,IL-17, IL-17F, IL-21, IL-22, IL-6, TNF-αを分泌して,Th1, Th2細胞とは対照的に,組織の炎症に関わり,自己免疫疾患など炎症性疾患を誘導する.これらの反応は,好中球増多を招来し,病原菌防御に効果がある.アレルギー疾患では気道炎症でみられる好中球浸潤に伴う炎症に関わる.一方,アレルギーのリモデリング進行には有利に働き,また,気管支肺胞液中のIL-5や気管支の好酸球増多を減弱し気道過敏性を抑制する.Treg細胞は,TGF-β, IL-10を分泌し樹状細胞やリンパ球系細胞を制御する.Th1, Th2, Th17, Treg細胞の分化経路には正の増幅機能が存在し,また,相互の調節機構が存在する.持続的なバランスにより疾患の発症・病態が決定される.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 33 (5), 262-271, 2010
日本臨床免疫学会
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キーワード
- Helper T cell paradigm
- T cell differentiation
- Th1 cells
- Th2 cells
- Th17 cells
- regulatory T cells
- IL-12
- IFN-γ
- IL-4
- TGF-β
- IL-1β
- IL-6
- IL-23
- IL-21
- IL-22
- IL-17
- IL-17F
- IL-10
- STAT3
- T-bet
- GATA-3
- FOXP3
- RORC2
- (ROR)γt
- CCR6
- neutrophilia
- autoimmune inflammatory disorders
- pathogen defense
- allergic diseases
- hyper IgE syndrome
- Crohn disease
- IPEX syndrome
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204650749312
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- NII論文ID
- 10027754006
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- NII書誌ID
- AN00357971
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- PubMed
- 21048387
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可