器質化肺炎(BOOP)を合併した血管炎症候群の1例

  • 八子 徹
    東京女子医科大学付属膠原病リウマチ痛風センター
  • 西成田 真
    日立製作所多賀総合病院リウマチ科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of vasculitis syndrome associated with bronchiolitis obliterans organizing pneumonia (BOOP)

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説明

36歳男性.平成8年多関節痛と手・足に皮疹及び多発性の皮膚潰瘍が出現,炎症所見の上昇もみられ同9年当科入院.抗核抗体は陰性であった.皮膚生検により血管炎と診断.胸部CT上両側肺背側に,線状のBOOP様陰影を認めた.気管支鏡下肺胞生検(TBLB)にて気管支壁と末梢肺胞に炎症性細胞浸潤が認められた.気管支肺胞洗浄(BAL)液には好酸球は認めず.胸腔鏡下肺生検(VATS)にて終末細気管支レベルに典型的なorganizing fibroblastic polypがみられ,それによる気道閉塞像(bronchiolitis obliterans)を認め器質化肺炎の所見であった.以上よりBOOPと診断.ステロイド剤投与により軽快し,退院.平成12年8月末より乾性咳嗽,発熱,呼吸困難が出現し当科入院.著明な低酸素血症を認め,LDH 377 IU/ml, CRP 8.27 mg/dlと上昇,胸部CTで両肺下葉を中心としたBOOP像の増悪を認めた.ステロイドパルス療法を施行後,PSL60 mg/日の内服を開始し,症状・所見共に著明な改善をみた.血管炎に肺病変としてBOOPを合併する例は稀であり,両疾患の病態を考える上で示唆に富む症例と考え報告する.<br>

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参考文献 (27)*注記

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