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Abstract
<p> 動物モデルでの詳細な検討により,自己免疫疾患の発症や維持における樹状細胞の重要性が明らかになっている.当科では,ヒトを対象とした樹状細胞の病因的役割に関する研究を展開してきた.例えば,シェーグレン症候群患者の小唾液腺組織においては,形質細胞様樹状細胞(pDC)が産生するtype 1 IFNがマクロファージからのCXCL13産生とCXCR5陽性Bリンパ球の浸潤をもたらし組織破壊に寄与すること,全身性エリテマトーデス患者末梢血pDCでは,type 1 IFNで誘導されるTLR7とTLR9の反応性変化により,TLR7誘導性IFN-α産生の亢進とTLR9誘導性IFN-α産生の減弱が齎されることを報告してきた.これらは,pDCとtype 1 IFNを機軸とした自然免疫系と獲得免疫系の相互作用がヒト自己免疫疾患の病態形成に重要であることを示唆している.一方,関節リウマチ患者の炎症性滑膜組織では,樹状細胞から分化する破骨細胞サブセットが存在し,このサブセットが骨吸収能のみならずT細胞刺激能の双方を有することを見出している.さらに,関節リウマチに対して高い治療効果を有するJAK阻害薬がtype 1 IFNのシグナル阻害を介して樹状細胞の抗原提示能を抑制することを報告した.以上のように,ヒト樹状細胞は自己免疫疾患における炎症の維持及び骨関節破壊の双方に関与しており,治療標的としても重要であると考えられる.</p>
Journal
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- Japanese Journal of Clinical Immunology
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Japanese Journal of Clinical Immunology 39 (4), 322-322, 2016
The Japan Society for Clinical Immunology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204651554048
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- NII Article ID
- 130005407744
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed