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抄録
IgG4はIgG分画のひとつで,生体には約4%しか存在しない.他のIgGサブクラスと異なり,補体活性化能を持たず,重鎖内ヒンジ部分のジスルフィド結合が弱いために,容易に解離し,2価のように挙動することが可能である.さらに近年,IgG4は他のサブクラスとFc-Fc結合ができることが明らかになった.高IgG4血症はIgG4関連疾患の血清学的特徴のひとつであるが,血管炎,多中心性キャッスルマン病,アレルギー性疾患,活動性の高い全身性自己免疫疾患などでも,血清IgG4濃度は高値を呈しうるため,これらの疾患を鑑別する必要がある.アレルギーにおいては,IgG4はIgEに対する遮断抗体,IgE-facilitated antigen presentationの抑制,FcRIIを介したFcRIからの情報伝達抑制の作用を示すことが知られている.特に食物アレルギーでは,血清IgG4が免疫寛容に寄与することが推測されている.また,IgG4のIgG4関連疾患の病態への関与は不明である.IgG4が病因抗体である可能性は低いと考えられるが,IgG4関連疾患の病勢を概ね反映するとされる.IgG4関連疾患におけるIgG4産生制御機構はまだ解明されていないが,胚中心におけるサイトカイン環境が関与していると推定されている.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 37 (4), 301-301, 2014
日本臨床免疫学会