重度聴覚障害児童における表記上の誤りの発達的変化

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タイトル別名
  • Developmental Features of Spelling Errors Written by Children Who Are Deaf
  • ジュウド チョウカク ショウガイ ジドウ ニ オケル ヒョウキ ジョウ ノ アヤマリ ノ ハッタツテキ ヘンカ

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抄録

本研究では、特別支援学校(聴覚障害)の小学部児童179名が書いた作文212編を対象に、表記の誤りとその発達的な変化について検討した。低・中・高学年別に品詞別の分析を行ったあと、作文にみられた表記の誤りを、(1) 子音の誤り、(2) 母音の誤り、(3) 撥音の誤り、(4) 促音の誤り、(5) 拗音の誤り、(6) 長音などに関する表記の誤り、(7) 濁点の誤り、(8) その他の誤り、の8項目に分類し分析した。どの学年においても濁点の誤りが多かった。また、低学年では濁点に次いで母音と特殊音節の誤りがみられた。中学年においては、濁点に次いで、子音や母音の誤りが続き、特殊音節表記の誤りは低学年に比べて少なくなった。そして、高学年においては、濁点の誤りに子音や母音の誤りが続いたが、特殊音節表記の誤りは1割にも満たなかった。したがって、濁点の誤りは児童期全般にみられる誤りであるが、他の特殊音節の表記の誤りは学年を追って減少していくことが明らかになった。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 50 (2), 161-169, 2012

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (2)*注記

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