P6-004 潰瘍性大腸炎におけるMAIT細胞に関する検討

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【目的】MAIT細胞は腸管に多く存在する自然リンパ球で,腸管免疫応答に重要な役割を有している.潰瘍性大腸炎(UC)におけるMAIT細胞の役割については不明な点が多い.本研究は,UC患者におけるMAIT細胞の頻度や活性化,機能について臨床像との関連性を調べることによりUCの病態におけるMAIT細胞の関与を明らかにすることを目的とした.【方法】UC患者及び健常者の末梢血中のMAIT細胞の頻度や活性化マーカーの発現,サイトカイン産生能をFlowcytometryを用いて解析し,両群間で比較した.また,Mayo score及びUCEISとの関連性についても検討した.また,UC患者の大腸生検組織を用いてMAIT細胞の免疫染色を行い,その頻度を寛解症例及び非寛解症例の患者で比較検討した.【成績】末梢血中のMAIT細胞の頻度は健常者と比較しUC患者で有意に低下を認め,細胞刺激後のMAIT細胞からのサイトカイン産生はUC患者で有意に亢進していた.UC患者のMAIT細胞では活性化マーカーの発現亢進を認め,Mayo score及びUCEISとの相関を認めた.また,大腸粘膜のT細胞におけるMAIT細胞の比率は寛解症例と比較し,非寛解症例において有意に増加していた.【結論】UC患者ではMAIT細胞の活性化状態と疾患活動性に相関を認め,炎症局所に集積していることから病態に関与している可能性が示唆された.また,末梢血MAIT細胞に発現する活性化マーカーがUC疾患活動性の新たなバイオマーカーとなり得ることが示唆された.

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