重症心身障害児の定位・探索反応の分析

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タイトル別名
  • The Orienting-Searching Response in Severely and Profoundly Handicapped Children
  • ジュウショウ シンシン ショウガイジ ノ テイイ タンサク ハンノウ ノ ブン

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抄録

本研究の目的は、重症心身障害児の定位・探索反応の特性を、感覚モダリティーの違い、信号性の有無による差異、発達年齢などの相互の関連性に着目し、行動反応とHR(心拍)反応において、健常乳幼児との比較から検討するものである。被験児は健常乳幼児群27名、重障児群22名であり、7種の刺激を使用した。行動反応は定位・探索行動をチェックし、HR反応はR-R波間隔を測定した。以下の結果が得られた。1)行動反応とHR反応の関連性が認められた。2)重障児群は健常乳幼児群に比べて行動反応、HR反応ともに少なく、とくに、第1回目の刺激提示及び試行初期において両群の差は顕著であった。3)重障児群の発達年齢6ヵ月レベルでは、定位反応の生起そのものが困難であった。しかし、個別にみれば反応性の乏しさと個人差の大きさは認められるものの、刺激に対して何等かの応答を行っていた。4)重障児群において、聴覚刺激に対してより多くの反応が認められた。5)健常乳幼児群では、パトカー(玩具)と呼名に対して、探索反応の状態を示していた。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 30 (4), 23-34, 1993

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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