ムーブメント教育によるダウン症児の長期指導 : 10年間の継続指導による実践(実践研究特集号)

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タイトル別名
  • ムーブメント教育によるダウン症児の長期指導--10年間の継続指導による実践
  • ムーブメント キョウイク ニ ヨル ダウンショウジ ノ チョウキ シドウ 10

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抄録

我々は、ダウン症児の早期教育において、乳幼児期から豊かな感覚運動刺激を与え、子供にとっては、遊び的要素を含んだムーブメント活動の中で、その発達を援助することが可能であると考えている。そこで本研究は、乳児期からのムーブメント教育による指導を10年間にわたり継続してきたダウン症児(S.H児,男,昭和56年9月9日生)の発達の分析と、その指導経過について検討することを目的に取り組んだ。1982年11月から1992年12月までの指導期間は、対象児の発達課題とプログラム内容から5期に分けられ、各期についてプログラムターゲットおよび内容について記した。対象児の発達を分析した結果、運動・感覚、言語、社会性スキルの全面的な発達変化が確認された。また、対象児の運動スキルは、乳幼児期(7歳頃まで)を通して達成されたが、言語・社会性スキルの発達は、学童期(11歳頃)にかけて運動スキルの発達に追いつくという様相を示した。このことから、言語、社会性スキルの発達は、運動スキルの発達をベースとして促進されることが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 31 (5), 7-13, 1994

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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