発達障害児の「登校しぶり」への包括的支援

  • 圓山 勇雄
    兵庫教育大学大学院修士課程 現所属:岡山県立誕生寺支援学校
  • 宇野 宏幸
    兵庫教育大学大学院臨床・健康教育学系

書誌事項

タイトル別名
  • Comprehensive Support for a Child With Developmental Disabilities Who Was Reluctant to Go to School: Readjustment of Mother-Child Relations
  • 発達障害児の「登校しぶり」への包括的支援 : 子どもと母親の関係の再調整を中心として
  • ハッタツ ショウガイジ ノ 「 トウコウ シ ブリ 」 エ ノ ホウカツテキ シエン : コドモ ト ハハオヤ ノ カンケイ ノ サイチョウセイ オ チュウシン ト シテ
  • ―子どもと母親の関係の再調整を中心として―

この論文をさがす

抄録

小学6年生の発達障害児の示す「登校しぶり」という状態に対して、母子関係の再調整を中心とした包括的支援を実施した。母親へのコンサルテーションでは、「生活リズムの調整」をもとに、関係の再調整として、「母親の心理的安定」「適切な対応の仕方」をアドバイスし、「登校への動機づけ支援」として「トークンエコノミー法」「パワーカードストラテジー」等の導入を図った。個別指導では、人との関わり方について学習するねらいで、ソーシャルスキル学習に取り組んだ。また、学校への提案として、対象児に対する「個別的配慮」「登校への興味関心」「友だち関係の調整」を行った。これらの結果、母親の対象児への見方や接し方が変化するに伴い、対象児に対する気持ちもポジティブに変化し、母子関係の改善が図られた。動機づけ支援による効果は限局的であった一方、母子関係の改善、学校での個別的配慮などにより、対象児の登校しぶりは減少し、主体的に登校するようになった。母子関係の再調整を中心とした包括的なアプローチの重要性が示唆されたが、中学校入学後の支援の継続が課題として残った。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 51 (1), 51-61, 2013

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ