自己免疫疾患におけるMAIT細胞

  • 三宅 幸子
    (独)国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部

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タイトル別名
  • MAIT cells in autoimmunity

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抄録

  Mucosal associated invariant T (MAIT)細胞は,MR1分子に拘束されT細胞受容体にインバリアントα鎖(マウスVα19 Jα33,ヒトVα7.2 Jα33)を発現するT細胞である.粘膜組織に多く存在し,自然免疫と獲得免疫の橋渡しをする自然リンパ球として機能すると考えられている.ヒトでは,末梢血αβT細胞の数%を占める大きな細胞集団であり,CD8陽性もしくはCD4陰性CD8陰性の細胞が大部分である.細菌や真菌に反応し,感染症病態に関与することが報告されている.自己免疫病態との関連については,動物モデルを用いた研究で多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎では制御性に働くが,関節炎モデルでは病態悪化に関与する.多発性硬化症患者末梢血では,その頻度が低下し,疾患活動性に相関することがわかった.また,他の自己免疫疾患においても末梢血での頻度の低下がみられ,自己免疫病態への関与が示唆された.<br>

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