歯科パノラマX線写真を用いた骨粗鬆症早期発見のための下顎皮質骨自動厚み計測法の開発 ―線状構造の抽出―

DOI
  • 堀場 一輝
    岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学専攻知能イメージ情報分野
  • 村松 千左子
    岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学専攻知能イメージ情報分野
  • 林 達郎
    メディア株式会社
  • 福井 達真
    朝日大学歯学部口腔機能修復学講座歯科補綴学分野
  • 原 武史
    岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学専攻知能イメージ情報分野
  • 勝又 明敏
    朝日大学歯学部口腔病態医療学講座歯科放射線分野
  • 藤田 広志
    岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学専攻知能イメージ情報分野

書誌事項

タイトル別名
  • Automated Measurement of Mandibular Cortical Width on Dental Panoramic Radiographs for Early Detection of Osteoporosis: Extraction of Linear Structures

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抄録

歯科パノラマX線写真における下顎皮質骨の変化は,骨粗鬆症をスクリーニングする指標として注目されている.われわれは,これまでに下顎皮質骨の厚みを自動計測する手法を提案した.しかし,骨密度の低下により下顎皮質骨に線状の骨吸収像(線状構造)が現れる場合,既存手法では正確な厚みを計測できなかった.本研究では,線状構造抽出法を用いて,下顎皮質骨の密な部分のみを自動計測し,骨粗鬆症の可能性を示す手法を提案する.線状構造抽出には,濃度勾配に基づき線を抽出する手法を用いた.提案手法を,朝日大学で撮影された,異常症例26症例を含む100症例に適用し,診断能を検討した.これらの診断は骨塩定量検査に基づいている.また,7つの歯科クリニックで撮影された,歯科放射線科医による骨粗鬆症疑いの所見をもつ21症例を含む458症例に対しても性能の検討を行った.その結果,前者は感度80.8%,特異度94.6%であり,後者では感度90.5%,特異度79.2%であった.よって,提案手法は歯科診療を通した骨粗鬆症の早期発見に有用であり,さらに異なる撮影環境下における汎用性を有することを示唆した.

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