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抄録
BAFFはシェーグレン症候群(SS)の病態形成への関与が推測されており,治療標的として注目されている.一方でSSでの涙腺および唾液腺傷害への関与が推測されるαEβ7(CD103)がBAFF-TgマウスのCD4+Foxp3+T細胞に高発現していることが報告され,CD103とBAFFの関連性の検討はSSの病態形成機序の解明につながると考えられる.そこで我々はJurkatを基盤にCD103高発現株(1B2)を樹立し,CD103とBAFFの相互作用について検討を加えた.その結果,1B2はコントロール株(2D2)と比較して細胞増殖速度の著しい低下とFACS解析によりBAFF受容体(BR3)の発現亢進を示した.またDNAマイクロアレイ解析より,1B2においてFasL,BAFF,STAT4,CD38,PD-1などの分子の発現亢進が認められ,CD103発現亢進による細胞機能の変化が推測された.さらに抗CD3抗体刺激下では,1B2は2D2と比較して有意に高いIL-2産生亢進を示し,BAFFを添加することによりさらに促進することが明らかとなった.この培養系に抗CD103抗体刺激を加えると1B2においてIL-2産生はさらに亢進したがIL-10産生は顕著に抑制された.これらの結果より,BAFFシグナルとCD103を介したシグナルは相互作用を持ちT細胞の活性化機構に関与していることが示唆された.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 37 (4), 315b-315b, 2014
日本臨床免疫学会