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Abstract
SKGマウスはT細胞受容体シグナル分子ZAP70の点突然変異を有することから,T細胞の胸腺教育異常により,末梢中に自己反応性T細胞が出現し,ヒトの関節リウマチに類似した関節炎を自然発症する.一方,Th17細胞は,関節炎モデルにおいて病原性を示すなど,自己免疫疾患病態への深い関与が注目されている.<br> 我々は関節リウマチの病態を分析するために,SKGマウスの関節病変組織におけるサイトカイン発現や浸潤Th細胞の経時的変化を解析した.その結果,病態慢性化に伴い,IL-1βやTNF-αなどの炎症性サイトカイン遺伝子発現が増強すること,Th1細胞やTh2細胞に比べ,Th17細胞およびTreg細胞の病変組織浸潤が有意に増加することを見出した.さらに,naïve Th細胞の分化培養系の改良によって高純度のTh1, Th2, TregおよびTh17細胞を取得し,発現マイクロアレイ比較解析によりTh17細胞特異的に発現する遺伝子マーカーを同定した.興味深いことに,これらマーカーの多くが慢性化に伴い病変組織おいて発現が増強し,また組織浸潤Th細胞に発現していた.<br> これらの結果は,SKG関節炎モデルの病態にTh17細胞およびTreg細胞の動態が深く関与することを示しており,Th17細胞特異的マーカーが発症や疾患活動性の評価に有用である可能性を示唆している.<br>
Journal
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- Japanese Journal of Clinical Immunology
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Japanese Journal of Clinical Immunology 35 (4), 359a-359a, 2012
The Japan Society for Clinical Immunology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653196928
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- NII Article ID
- 130003364100
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed